夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
「僕に似合ってるからじゃなくて、旦那さんの服だから……素敵に見えるんじゃないですか?」
「え……っ?」
僕の言葉に、アカリさんは驚いていた。
でもすぐに、この場を何とかしてくれようと僕に優しく声をかけてくれる。
「っ……マオさん?どうしたんですか?」
「……」
「私、何かしましたか?それなら、謝りますっ」
「っ……」
アカリさんは泣きそうな声になりながらも、僕に語りかけてくれた。
彼女が悪い訳じゃない。むしろ、謝るのは僕の方だ。
……けど、止まらない。
「急にどうしちゃったんですか?っ……こんなの、マオさんらしくないです」
「っ……僕らしいって何ですかッ?!」
勝手な被害妄想で、旦那さんの代わりにされているような気がして、比べられているような気がして……心が子供みたいに駄々を捏ねていた。
僕だけを、見て欲しいってーーー。
「っ……僕は、ッ……旦那さんじゃないんです!」
アカリさんの気持ちを確認する事もしないで、僕は一方的に言い放ってその場を駆けだすと、鍵を締めて部屋に引き籠った。