夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
閉じ籠もった部屋の中ーー。
あれから何時間過ぎただろう?
部屋とバルコニーの境にある大きな窓ガラスから見える景色は暗くて、すっかり夜になっていた。
僕のアカリさんの旦那さんに対して高まっていた感情も少しは落ち着いて、今では堪らない後悔が押し寄せてきている。
……いや。
今でも旦那さんの事は、気になってる。
でも、何故自分はアカリさんにあんな言い方と態度をとってしまったのだろうか?
ヤキモチ。嫉妬。
婚約者がいる立場で別の女性にそんな感情を抱く事になるなんて思いもしなかった僕は、自分の本当の気持ちにも気付けず、ただただ悩んでいた。
「……謝らなきゃ」
顔をまともに見る事は出来なかったが、最後に聞いたアカリさんの声は震えていた。きっと、僕の八つ当たりのような言葉に傷付いているに違いない。
ゆっくり座っていたベッドから立ち上がり扉へ行くと、鍵をあけてドアノブに手をかける……。が、そこで僕はピタッと止まった。