夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
***
その頃ーー。
祖父シャルマは自室で、僕が今、何処で何をしているかの報告書に目を通していた。
何故、気付けなかったんだろう?
祖父が、何の考えもなしに僕を野放しにする訳なんてないのに……。
「ーーそうか。
やはり彼奴はあの女と一緒か……」
祖父にとって、全ては計算の内で……。
一手先の事まで、すでに用意されていた。
「ま、いいだろう。最後くらい好きにさせてやれ。
……心配せずとも、彼奴は自分から戻ってくるさ。私の元から離れるなど、不可能だ」
僕の最大の弱点を、完全に把握した強大な敵。
「彼奴は優しいからな。息子に似て、優しい優しい子だ。……クククッ、ハハハハッ!!」
記憶を失ってからの三年以上の月日は、「幸せだったか?」と問われたらハッキリ「幸せ」だと答える事は出来ないものだけれど……。
そんな日々の中で、僕が支えにしてきた光は、祖父が僕が逃げられないようにする為の保険ー鎖ーになる。
その頃ーー。
祖父シャルマは自室で、僕が今、何処で何をしているかの報告書に目を通していた。
何故、気付けなかったんだろう?
祖父が、何の考えもなしに僕を野放しにする訳なんてないのに……。
「ーーそうか。
やはり彼奴はあの女と一緒か……」
祖父にとって、全ては計算の内で……。
一手先の事まで、すでに用意されていた。
「ま、いいだろう。最後くらい好きにさせてやれ。
……心配せずとも、彼奴は自分から戻ってくるさ。私の元から離れるなど、不可能だ」
僕の最大の弱点を、完全に把握した強大な敵。
「彼奴は優しいからな。息子に似て、優しい優しい子だ。……クククッ、ハハハハッ!!」
記憶を失ってからの三年以上の月日は、「幸せだったか?」と問われたらハッキリ「幸せ」だと答える事は出来ないものだけれど……。
そんな日々の中で、僕が支えにしてきた光は、祖父が僕が逃げられないようにする為の保険ー鎖ーになる。