夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
けれど。
もし来世があるのならば、この未来を生きる事が少しだけ寂しくし、怖くない。
希望を持てる、気がしていた。
馬鹿げた質問だと思いつつも、きっと彼女ならば茶化さないで答えてくれると思ったんだ。
すると……。
「え?っ……ん、ん〜〜〜。難しいですね」
ーーほら、やっぱり。
僕の質問に、アカリさんは真剣に考えてくれる。
「実際、私は前世があったとしても何も覚えてない訳だし……。信じます、って言っても……説得力ないですよね」
こうやって対等に、同じ目線で話してくれる。
そして……。
「でも、私は信じたいです。
前世は覚えていませんけど、来世があるって思ったら……。もしもこの人生の未来が辛いものでも、頑張って全うしよう、って思えるから……」
ーーほら、ね。
僕と同じ、答えをくれるんだ。
「っ……。そう、ですか」
アカリさんの答えが嬉しくて、胸が熱くなって、その熱が目に集まって、視野が滲みそうになる。
誤魔化すように見上げるフリをして天を仰ぐと、視線の先の青空を白い一羽の鳥が飛んで行った。