夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

背中の翼を広げて、力強く羽ばたかせて……。向かい風に負けないよう真っ直ぐに、時にその風に身を任せて、自由に飛んで行くーー。

「……僕は、もしも来世があるなら鳥になりたいです」

「!……え?」

「自分の力で、何処へでも行ける……翼が欲しい」

目覚めてから、ずっと思って事を初めて口にした。
ずっとずっと思ってた。病室の窓から外を眺めていた時も、自宅に引きこもってた時も、何をやっても上手くいかない時も……。
その頃は弱い心が生んた、"逃げ"の発想だったのかも知れない。

……けど。
今は、本当の自分で在れる場所へ。自分の居場所へと、行きたいと願う。
"逃げ"ではなく、前へ進む為に。


「……鳥、ですか?
自分が人間以外に生まれ変わるなんて、考えた事ありませんでした」

僕の言葉に、アカリさんが言った。
鳥に……。人間以外に生まれ変わりたい、なんて馬鹿げた発言だと思う。
馬鹿にされても、おかしくないと思う。

でも。彼女なら、きっと……。
僕はそう確信していた。
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