夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
貴方が好きーー。
そう告げるまでに、ずんぶんと時間がかかってしまった。
たくさんたくさん、遠回りしてしまった。
貴方が愛おしいーー。
私がそう強く感じたのは、昨夜貴方がありのままの自分を話してくれた瞬間。
"今の僕を見て欲しい"。
そう貴方が伝えてくれたから……。
ヤキモチを滅多に妬かないヴァロンが昔一回だけ、召使いのバロンの時に「僕よりも好き?」って、夢の配達人のヴァロンにヤキモチを妬いてくれたのを思い出したんだ。
あの時の貴方と、昨夜の貴方は、全く同じ表情をしていた。
もうっ、自分で自分にヤキモチを妬かないでよね?
私を好きだ、って態度では示していながら、その気持ちをイマイチ自覚していないのが"なんだかな〜"って思って。自分で自分の気持ちに気付いてほしくて、少し意地悪しちゃった。
ーーでも、おかげで私も気付けたよ。
名前でも、性格でも、容姿でもない。
私は、今の貴方が1番好きーー。