夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
この想いを伝えるのに、飾りのようなたくさんの言葉は必要なかった。
好き、と言って、私はマオさんを真っ直ぐ見つめたまま返事を待つ。
まるで此処が私達二人だけの空間のような感覚。
波の音も、風の音も、鳥の鳴き声も聞こえなくて……。ただ、彼だけを見つめていた。
すると……。
「っ……。
アカリさん、っ……僕はッ……!ッ……」
驚いた表情から、真剣な表情に変わった彼は、何かを言い掛けて言葉を詰まらせる。
苦しそうな表情を浮かべながら、必死に私の告白に返事をしようと自分の心と闘っていた。
大丈夫、大丈夫だよ?
彼の気持ちが痛い程分かっていた私がそっと手を握ると、マオさんは辛そうに顔を歪めて言った。
「っ……すみません。
僕にはッ……このままミネアさんを裏切る事は、っ……出来ませんッ」
「……」
「ずっと、っ……ずっと、支えてくれたんです!こんな、僕をッ……だから、っ……」
不思議と、彼のその言葉にホッとした。
ーーうん。
大丈夫、貴方の気持ちは充分分かってる。