夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

貴女は僕《マオ》に、初めて心の底から微笑みかけてくれた。
独りきりの病室にこもっていた僕をの手を引いて、背中を押して、「ほら、こっちよ」って……。
貴女の居る眩しい舞台に、僕を誘《いざな》ってくれたね。

ミネアさんーー。
貴女の立つ舞台は輝かし過ぎて、僕には決して対等に立てる場所ではなかったけれど、貴女が微笑ってその場所に居られるように、主役を支える脇役のような……。いや、黒子のような存在でいられたらな、って思ってた。


「好き」って言ってもらえて嬉しかった。
誰にも必要とされていなかった僕にそんな事を言ってくれる人は、貴女だけだと思った。

どうか、僕を嫌いにならないでーー?

そんな気持ちで貴女を見つめているこの気持ちを、僕は恋だと思ったんだ。

母親を求める子供のように。
飼い主がいなくちゃ生きていけない飼い犬のように……。僕は貴女の傍にずっと居た。


貴女が本当は孤独で寂しがり屋だという事に気付きながら、僕ばかりが甘えてしまっていたね。

貴女が1番欲しがっていたものをあげる事が出来ない中途半端な優しさ。
それがどれほど残酷なものだったのか、僕はこの時まで知らなかったんだ。

……
…………。
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