夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
ディアスは……。
相変わらず、僕の側に付いて色々サポートしてくれている。
今日もここまで送ってくれて、きっと今もこの邸《やしき》の外で僕が役目を終えるまで待ってくれているに違いない。
でも、僕が家出した事で何かあったんだと思う。何だか以前よりもよそよそしい、というか距離を感じる。
「あ、そうそう!
マオ様、よろしければ妻の話し相手をお願い出来ませんか?」
「!……え?」
うっかり考え事をしていた所に不意を突かれた。
こういう場は苦手で失礼のない程度に挨拶をすませたら帰ろうと思っていた僕に、ジェイク様からまさかのお願い事。
「以前より妻はマオ様とお話をしたがっていたのです。
私は挨拶回りで暫く動きますので、よろしくお願いします」
「えっ?あ、っ……あの!」
「モニカ。ほら、マオ様だよ。
僕が挨拶回りをしてくる間、話し相手をして下さるそうだから……」
「っ……〜〜」
ーー参ったなぁ。
ジェイク様は話など聞いてくれる様子もなく僕の手を引いて行くと、部屋の隅の椅子に座っている奥方様の元へ連れて行き、そう紹介してしまった。