夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
「では、マオ様。よろしくお願いします」
有無を言わせない爽やかな笑顔で頼まれてしまい、ここまで来てしまったら嫌と言う訳にもいかない。
ジェイク様が去ってしまい、何か話さなければ、と僕は奥方様に目を向けた。
そこに居たのは薄いピンク色のワンピースに身を包んだ、金色の髪と瞳の小柄な女性。
「っ……貴方が、マオ……様?」
「!……あ、はい。マオと申します」
目が合うと確かめるように尋ねられて、自然と返事の言葉が口から出ていた。
僕は、そんな自分に驚く。
奥方様ーー。
モニカ様とは初対面の筈だった。
それなのに話し相手、なんて無理だと思ったし、もっと緊張してしまうかと思っていたのに……。
不思議だ。
モニカ様の瞳を見たら、そんな不安は薄れて行く。
「っ……あの。失礼ですが、何処かでお会いしましたか?」
思わず僕もそう質問していた。
何だか初めて会った気がしない。
それにジェイク様がさっき言った「以前より妻はマオ様とお話をしたがっていたのです」という言葉も気になった。