夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
「……。
いえ、貴方とは初めてお会いします。ただ、想像していた通りの方だったので、少し驚いてしまって……」
目の前にいる彼が、夢の配達人のヴァロン……。
ーーううん。
親友の愛おしい人だと知りながらそう答えなくてはいけなかったのには、理由があった。
今日は二人目を授かったお祝いと、その報告を知り合いや仕事関係の人にする為に夫ジェイクが開いたパーティー。
私は身重だし、子供が誕生したお祝いならまだしも、わざわざ懐妊の報告パーティーなんて親バカ過ぎない?って少し恥ずかしいから初めは乗り気ではなかったわ。
でもまあ、「安定期に入るまでは絶対ッに!誰にも言っちゃダメよ!」って私の言い付けは守ってくれたし(きっと言いたくてウズウズしてたハズなのにね)、今回は私が折れる事にした。
そんな風にしぶしぶだったパーティーだけど、アラン様の代わりにマオ様が来ると知った時、これはチャンスだと思った。
アカリの為に、ヴァロンの記憶を取り戻す為に、何か私に出来る事があるんじゃないか?って思ったの。