夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
……けど。
『記憶を戻す為にマオ様と話したい?
っ……駄目だよ!そんなの危険すぎる!』
ジェイクには即答で反対された。
『お願いだよっ……無茶はやめてほしい。
アカリ様は君の大切な友人だ。僕だって、出来る事は力になりたい。
っ……でも!僕はモニカが1番大切なんだ!』
……知ってたわ。
知ってたけど、今までずっと私のワガママを聞いてくれたジェイクが怒ってくれて、あんなに気持ちをぶつけてくれて、私は改めて愛されているのだと実感した。
だから、無茶は出来ない。
アカリとジェイク、どちらも私にとっては天秤に掛ける事は出来ない大切な存在だけど……。私はこの人生をジェイクと共に歩んで行くのだと、神様に誓ったから。
ぬかりのないシャルマ様の事。いつ、どんな形で聞き耳を立てているか分からない。私が少しでもヴァロンの事を口にすれば、きっと……。
直接的な事は話せないけれど、何気ない会話の中で、私との時間でマオ様が何かを感じてくれる事を祈った。
邪魔が入る前に、少しでも長く私との時間を……。
"無茶はしない"という約束を信じてくれたジェイクの想いも、無駄にしない。
そう決意して、私は慎重に言葉を選びながらマオ様と会話した。