夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
「ええ!ええ!私で答えられる事ならば、何でも聞いてちょうだい!」
「ありがとうございます。
……では、教えて下さい。モニカ様は、ジェイク様の何処がお好きですか?」
「!……え?」
「普通の好きと、特別な好き、って……何か、違うんですか?」
その質問に、私は驚いた。
だってその質問は、昔私が召使いのバロンにした質問と同じだったから……。
本当の恋が分からなくて、悩んで、アカリを羨ましいと思ったあの時。召使いのバロンに私が聞いた質問。
ーーああ、そっか。
あの時の彼との時間は、全てはこの瞬間の為の時間だったのだと思った。
私に出来る事、見付けた。
記憶を失って迷っている貴方に、あの時私が貰った言葉を返すわ。
「…… "好き”と言うのは、簡単です。
でも、"特別な好き"は、簡単には言えません」
「!……え?」
「自分が楽しかったり、嬉しかったり。
例えば、美味しい物を食べたり。綺麗な景色を見た時……。
”この人と、共感したい”と、真っ先に思い浮かぶ人が自分にとっての1番大切な人だと思います」
ねぇ、バロン。
あの時貴方がくれた素敵な言葉は、ずっとずっと私の宝物だった。