夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

「ーーマオ様!如何(いかが)なさいましたか?」

「!……ディアス」

思考を遮られるように声を掛けられて、ドキッと心臓が跳ねた。
目を向けると、(やしき)の外でポケ電を見つめている僕を見付けたディアスが、あまりに早い退室に疑問を抱いた表情で近付いて来ていた。

「何かございましたか?それとも、ご気分が優れませんか?」

「っ……いや、……」

思わず口籠ってしまう。
今の僕の気持ちを素直に告げたら、ディアスはどう思う?
きっと、それを阻止しようとするだろう。

そう思った僕はポケ電を握り締めて、なんとか欺く方法を一瞬考えた。
でも……。

「……。
ディアス、僕は今からミネアさんの所に行く」

僕はディアスの目を真っ直ぐ見て、そう言った。

「大切な……。大切な話があるんだ!
だから、っ……止めないで、見逃してほしい」

嘘を吐いて、欺いて……。
それでは以前と何も変わらない。
今までの自分を変える為には、これまでと同じ事を繰り返してはいけないと思った僕は、今の気持ちをディアスに伝える事にした。
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