夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
「さ、マオ様。パーティーにお戻り下さ……」
「ーー駄目なんだ」
「え?」
「っ……それじゃ駄目なんだよ!」
僕は会場に戻るよう促すディアスの腕を掴んで、目と目を合わせて自分の気持ちを訴える。
「"今"じゃなきゃ、駄目なんだよ!
今動かなかったら……僕はずっと立ち止まったままなんだ!」
「……」
「っ……そんなの、嫌だッ!
自分で決めて、自分で進みたいっ……。例えその先がどんな道でも、僕はしっかり生きたいんだ!!」
今から自分が進もうとしている人生《みち》が、正しいのかなんて分からない。
記憶を失くす以前の自分が、今の自分を知ったらどう思うかなんて……分からない。
でも、今の僕が僕だから。
それが例え、過去の自分と違う選択や意志だとしても、構わない。後悔しない。
運命の神に逆らってでも、足掻いてでも、僕は僕に負けたくない。
そして……。
僕が愛したたった1人の女性《ひと》と、ずっと一緒に微笑っていたいんだ。