夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
それは、僕がようやく見付けた夢だった。
想いが溢れて、その想いが涙になって頬をつたり落ちる。
冬の寒さで冷えた頬に、その涙は熱いくらいで……。その温度は、今の僕の心の暖かさだと思った。
この暖かさを教えてくれたのは、アカリさん。
彼女へのこの想いの先がどうなろうとも、彼女と巡り逢えた事を、きっと僕は心から神様に感謝出来る。
これから僕の起こす行動が祖父の逆鱗に触れて、この命を奪われようとも……。
「……たくさん、迷惑かけてごめんね」
俯いて、ただ黙って僕の話を聞いてくれたディアスに謝りながら微笑った。
ディアスはこれまでにたくさん自分を助けてくれた。もうこれ以上巻き込んで迷惑をかけてはいけない、っと一歩足を後ろに下げて、触れていた腕を離そうとした。
しかし、その時……。
「それが例え、束の間の幸福だとしても……ですか?」
ディアスがポツリ、呟くように言った。
「貴方様もやはり、リオン様と同じなのですね……」
そう言って顔を上げたディアスの瞳と、僕の瞳が重なる。
そしてその表情は、諦めたような口調とは反対にとても優しいものだった。