夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

「どちらもお似合いなものを、一つに絞るなど難しい質問にございます。
これだけお美しい花嫁様が相手なのです。マオ様が「こっち」と選べない気持ち、皆様もお分かりになるでしょう?」

ディアスが係の人達にそう言って微笑えむと、「それは確かに」ってみんな言って……。
雰囲気が、また和みだした。


「なんだ!そう言うことかね、マオ君!
まあ、確かに無理もない。我が娘は本当に美しいからなぁ〜。
しかし、君はその娘が選んだ花婿なんだ。意見はしっかり口にせぬと、これから一生尻にしかれてしまうぞ〜?」

「もうっ、お父様ったら!
わたくしはそんなに怖い女じゃありませんわ!」

ハハッと笑いながら僕の背中を叩くハンク様に、ミネアさんが拗ねたように言いながら笑う。

嫌な空気が、すっかり変わった。


全ては、ディアスのおかげ。
僕がチラッと視線を送ると、穏やかに微笑んで軽く頷いてくれる。

その存在が、今日も今までも……。
僕を支えてくれて、たくさんホッとさせてくれた。
< 39 / 411 >

この作品をシェア

pagetop