夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
ジェイク様の邸の敷地内から出て営業用自動車を拾おうと大通りに向かって進む。僕は気持ちを切り替ながら、ミネアさんの元へ行こうとポケ電を手に彼女が居そうな場所を考えた。
会社?自宅?
それとも、彼女のお気に入りのホテル?
出張という可能性も十分にあったが、もうただ待ってるだけではいけない。居場所を何とか突き止めて、自ら行かなくては……!
アカリさん。
本当は今すぐにアカリさんの元へ行って、自分の気持ちを伝えたい。
でもその前に、今までの不甲斐ない自分を変える為にけじめをつける。
ミネアさんと話して、ちゃんとお別れをして、全てはそこから。例え彼女に引っ叩かれようとも、恨まれようとも……。
ピリリリリーーッ……!!
「!……っ」
それはまさに、ミネアさんに電話を掛けようとしたタイミングだった。僕のポケ電の着信音が鳴る。
画面に表示されている発信元は、ハンク様。ミネアさんのお父様だった。