夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
『大切なお話があります。
明日、仕事終わりに港街まで行きますので会えませんか?』
そうマオさんからメッセージが来たのは、彼の誕生日である12月24日の前日の朝だった。
『はい、分かりました』
お祖父様の別荘から帰宅して、初めて来た彼からのメッセージ。
大切な話がありますーー。
きっと、あの砂浜での返事を聞かせてくれるんだ。
そう思って、私は了承の返信をする。
『ありがとうございます。
まだハッキリと時間が決められないので、明日仕事終わりにまた連絡します』
間も無くそう送られてきたメッセージを見て、また私も返信する。
『はい、待ってます』
……。
そして、今日はもう彼からの返信は来ないだろうと分かった私はポケ電を鳴らないようにして鞄へとしまった。
お祖父様、モニカ、アラン様……。色んな人からの着信やメッセージを、無視して……。
今はマオさんからの言葉以外聞きたくなかった私は、平然を装って日常を過ごすの。