夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
だから、僕には結局ディアスを突き放す事なんて出来ない。
昨日された事がどれだけ自分にとって嫌な事でも、ディアスに頼らなくては……。
誰かに頼らないと、僕は……何も出来ないんだ。
不甲斐なくて、黙り込んでいた。
そんな僕の手を取って、優しく握ってくれたのはミネアさん。
「では、マオ様。ウェディングドレスは、着る本人であるわたくしの好みで選んでもよろしいかしら?
もう少し悩んでゆっくり決めますわ!ねっ?」
「……はい。それが、1番いいと思います」
ミネアさんの意見に、僕は精一杯笑顔を作って頷いた。
僕のさっきの発言に少なからず傷付いているかも知れないのに、微笑って見つめてくれるミネアさん。
僕が困らないように、自分でドレスを決めるって言ってくれたんだ。
そんな彼女を幸せにしなきゃ、って思うのに……。
僕の心の中で「本当にこれでいいの?」って、いつも誰かに、囁かれている気がした。