夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
***
マオさんを乗せた最終電車が出発して、小さくなるまで見送っていると……。
「風邪ひくぞ」
そう、ぶっきらぼうな声が聞こえたと思ったら降り注いでいた雪が私の周りだけなくなる。
声の方に目を向けると、そこに居たのはアラン様。
さしている傘に入れてくれながら、何故か怒ったようにしかめっ面をして私を見ていた。
「……フラれちゃった」
けれど。
私が微笑んでそう言うと、アラン様は今度は苦しそうに顔を歪めた。
「っ……何故だッ?
もっと怒ればいいだろうっ?泣いて!責めて!取り乱せばいいだろうっ?!
何黙って、っ……兄上を行かせてしまうんだッ!!」
私の為に怒って、私の代わりにアラン様は苦しんでくれた。
「お前はッ……大馬鹿だ!!」
言葉は乱暴なのに、優しくて暖かい。
そしてアラン様の腕は、力強いのに大切に大切に……。ヒビ割れた硝子細工がこれ以上壊れないよう守ってくれるように、私を抱き締めてくれた。
マオさんを乗せた最終電車が出発して、小さくなるまで見送っていると……。
「風邪ひくぞ」
そう、ぶっきらぼうな声が聞こえたと思ったら降り注いでいた雪が私の周りだけなくなる。
声の方に目を向けると、そこに居たのはアラン様。
さしている傘に入れてくれながら、何故か怒ったようにしかめっ面をして私を見ていた。
「……フラれちゃった」
けれど。
私が微笑んでそう言うと、アラン様は今度は苦しそうに顔を歪めた。
「っ……何故だッ?
もっと怒ればいいだろうっ?泣いて!責めて!取り乱せばいいだろうっ?!
何黙って、っ……兄上を行かせてしまうんだッ!!」
私の為に怒って、私の代わりにアラン様は苦しんでくれた。
「お前はッ……大馬鹿だ!!」
言葉は乱暴なのに、優しくて暖かい。
そしてアラン様の腕は、力強いのに大切に大切に……。ヒビ割れた硝子細工がこれ以上壊れないよう守ってくれるように、私を抱き締めてくれた。