夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
キャナルさんも僕のタキシード姿を見て満足そうに頷くと、何やら”いい事を思い付いた”とでも言う感じで間近にやってくる。
嫌な、予感。
「そうですわね、あとは……。
髪型とこの眼鏡をなんとかしましょうか?」
「!っ……えッ?」
キャナルさんの言葉に、ギクリッと心臓が何かを察したように悲鳴をあげ出した。
「まさか」って思った時には遅くて……。
真ん前に立ったキャナルさんが、僕を暴いていくーー。
「式当日は、この眼鏡はやめてアイレンズに換えましょう!それから……。
お顔がよく見えるように、前髪もこうして上げるようにセットして……」
「っ……っ〜〜〜」
言葉と同時に眼鏡を強引に外されて、キャナルさんの手が、僕の顔を隠している長い前髪を上げていく……。
そして、息が止まりそうな位に緊張が最高潮になった時。
僕の気持ちとは反対に、見ていた周りの係の女性からは「キャーッ!」という黄色い歓声が上がった。