夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
「ま、まぁ!っ……」
1番間近で僕を見ていたキャナルさんは、顔を真っ赤にして、ぽ〜っと見上げたまま固まる。
「う、嘘っ……カッコいい〜」
「なんで普段あんな恰好してるのっ?勿体な〜い!」
係の女の子達も、僕を見て頬を染めながらヒソヒソ話していた。
その光景に、息が、つまる。
この時、僕にはみんなの言葉なんて聞こえていなかったのだ。
自分に自信がなく、本来の姿を祖父から「醜い!隠せ!」と言われ続けていた僕にとって、今の状況は最悪だった。
チラチラと見られるのは、好奇や嫌悪の眼差し。
ヒソヒソと話されるのは、良くない事を言われているという認識しかなかったから……。
そんな僕に、追い討ちをかける、記憶の断片ーー。
『見ろよ、コイツ!』
『なんだ?この髪と瞳の色!』
ッ……ヤメテ、ミナイデッ……。
『これは珍品だ!高く売れる!』
『おら!お客様に顔を見せろ!!』
無理矢理に顔を見せられた”あの日”の光景と、今が、被る。