夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

ヤメテ、ヤメテッ……!!

泣いたって、誰も助けてはくれない。
助けを求めても、誰も来てくれない。

父さんも、母さんも……。
僕の事、嫌いなんだ。


ダレモ、ホントウノボクヲ、アイシテナンテ……クレナイ。

心の中で、そう悟った幼い僕を、真っ暗な影が覆っていく感覚に……襲われた。

寒く冷えた、心。

もう、いいかな?って……。
全てを諦めて、自分の運命を受け入れて、このまま闇の中に身を潜めようとした。


でも、闇が僕を呑み込もうとした瞬間ーー。

『どうもしないよ。何も変わらない』

ーーえ?

『私は変わらないよ。
例え、……が私を嫌いになっても……。
それでも、愛してるって言える』

……優しい、声。

暖かい明りが胸に灯って、僕を呑み込もうとした闇を消し去ってくれる。


『私、たくさん笑顔でいるから……。
何処にも行かないで?独りだと、思わないで?』

眩い光と、目の前に差し出された、白い、細い指の手。
その左右に流れるように垂れた、綺麗な黒髪。

ーー君は、誰?

顔が見てみたい。
ゆっくりと、俯いていた顔を上げると……。
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