夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
トクンットクンッと、脈が身体に響くと共に、モヤッとだけど頭に浮かぶ映像。
決して大人数ではないけど、何処かの広場みたいな場所が賑わっていた。
僕は胸を弾ませて、人集りの中心へ、足を進めて行くんだ。
『そ……そうじゃ、なくて!
……か、格好良すぎるよ~っ』
純白のドレスを纏った女性が、恥ずかしそうにブーケで顔を隠しながらそう、言って……。
『……が、格好良すぎて。
私っ……ど、どうしたらいいの?』
その可愛らしい姿に、緩む表情と、湧き上がる暖かい気持ちが止まらない。
……ねぇ?君は、誰?
寂しい僕が、創り出した幻想?
それとも僕の憧れる話の、お姫様?
夢でも、幻でも、いいと思った。
その瞬間に浮かんだ想いは……。
ーー君に、逢いたい。
君に、触れたいよ。
「っーーーッ!!」
ガシャンッ……!!
手を伸ばしたら……。
また、現実に引き戻された。