夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
それでも知りたくて、僕は伏せていた視線をディアスに向けた。
ドキンドキンッと響く鼓動に震えを抑えて待つ、返答までの時間。
束の間の沈黙が長く感じていた僕に、ディアスがフッと優しく微笑った。
「私がマオ様に隠し事など、する訳がないではありませんか。
……私の事を、お疑いですか?」
「っ……」
優しさの中に、悲しみが込もったディアスの瞳。
ディアスはいつも、僕を優しい瞳で……。
ミネアさんと同じ瞳で、僕を見てくれる。
意を決して尋ねたのに、その勇気さえもこの瞳で見つめられると、”傷付けてはいけない”、”裏切ってはいけない”って想いが溢れてきて……。逆らえない。
「……ううん。
ごめん、っ……変な事、言った」
独りぼっちになる勇気すらなくて、首を横に振って俯いた。
そんな僕に、ディアスは手袋をはめ直してくれると優しく肩を叩く。