夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
「ミネア様達がお待ちです。さぁ、戻りましょう?」
「……うん」
気持ちが晴れず、心と頭に煙のようにモヤッとしたものを感じながらも、僕はディアスと共に洗面所を出てミネアさん達の元へ戻る事にした。
でも、重い足取り。
一歩一歩進む度に、『そっちじゃないよ』って誰かに言われているみたいだった。
分からない……。
っ……分からないよ。
何も知らない。何も分からないのに、何か引っかかる頭のモヤ。
振り払うように、フッと顔をそっぽに向けた時だ。
「!っ……あれ、は?」
僕の視線に、ある物が止まった。
まるで、道に迷った子供のような僕をそこへ導くように心捉えたのは……白い着物。
純白に輝く、和装の花嫁衣装だった。
「綺麗……」
それは、さっきたくさん見た数々のウェディングドレスよりも遥かに勝るもので……。
思わず歩み寄り、間近で見惚れてしまう。