夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

それくらい、夢中で見てた。

それに、この白無垢を見ていた時に僕が想っていたのは……ミネアさんじゃ、ない。
白無垢を見た瞬間から、僕の中に浮かんだのはたった1人。

『マオさん!』って、明るく声を弾ませて呼んでくれる。
長い黒髪を風になびかせてながら、瞳が合えば優しく微笑んでくれる。
汚れない心を表したような美しい漆黒の瞳で、真っ直ぐに見つめてくれる。


まだ会って数回なのに、鮮明に僕の心にその人はいた。
昨日会ったばかりなのに、思い出せばすぐにでもこの場を駆け出して、彼女に会いに行きたいとさえ思ってしまう。

ーーアカリさん。

この白無垢を纏った君が僕の隣で微笑っている姿が、ハッキリと浮かんだよ。
そんな幸せな夢は、ただの妄想なのだろうか……?

……
…………。
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