夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

アラン様の事は嫌いではない。
仮にもマオさんの異母兄弟だし、根っから悪い人ではない事は三年前に知っている。

けど、今だってアラン様はシャルマ様の下で働いてる訳だし……。今マオさんをどんな風に想っていて、どう過ごしているのかも分からない。
気を許しては、いけない。

そんな風に思って目を合わせないでいると、アラン様は一方的に話しかけてきた。


「ここ、なかなか良い店だろう?」

「……」

「実は、うちの会社と関係している店なんだ」

「……」

「また来たければ、私を通せばいつでもすぐに入店出来るぞ?
良かったら次は……」

ーー自慢話が、したかったのかな?

上機嫌で自分の事を次々と語るアラン様の様子から嫌な感じはしなかったけれど、彼の話にあまり興味の湧かない私には少々退屈だった。

それに……。
チラッと店内から窓の外を見ると、そこにはまだ入店出来ずに並んでいるたくさんのお客さん。
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