夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
アラン様に連れられるまま席に着いてしまったけど、あそこに並んでいる人達の中には私達よりも前から待っているお客さんがいる訳で……。
みんなここのパンケーキが食べたくて長時間並んでいるのに、お店の関係者的な顔パスでさっさと入店してしまった事に罪悪感を感じる。
そしてつい、これが”ヴァロンとだった”ら……。と考えてしまう。
ヴァロンはきっと私が「来たい!」って言ったら、夢の配達人白金バッジの力なんて使わずに長時間でも一緒に並んでくれる。
「お仕事で疲れてるのにごめんね」「たまの休みなのにごめんね」って謝る私に、きっと「いいじゃん。待ち時間もデートのうち!」って言ってくれて、手を繋いで、他愛もない話でも笑い合って待てる、楽しい時間になるの。
そんな幸せな想像をして心がホワッと暖かくなる。が、同時に会いたい気持ちが溢れて、でも会いに行けない現実に寂しくなる。