夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
「お待たせ致しました。
こちら特製パンケーキとホットコーヒーとアイスティーでございます」
パンケーキがテーブルの中心に置かれ、ホットコーヒーはアラン様の前、アイスティーが私の前に置かれて、定員さんは下がって行った。
「冷めないうちに食え」
「えっ?あ、じゃあ取り皿に……」
「オレはいらん」
「えっ?」
「こういう甘い物は苦手だ」
「えぇ〜ッ?!」
「だったら何で頼んだのよ?!」と言いたかけた私の前に、アラン様はパンケーキのお皿をすすっと動かして置く。
三段重ねのフワフワのパンケーキ。
ミルクっぽい甘い良い香りが漂い、横に添えられたたっぷりのホイップクリーム。
美味しそうだし、確かにずっと食べたかった品。
でも、一人で食べるとか……。
量的にもそうだが、私は気持ち的にも進まなかった。
「い、いただきます」
けど、残すなんて勿体無い。
私はパンケーキをナイフで一口サイズに切りながらフォークで口に運ぶ。