夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
(2)
【港街/広場】
「ディアス。なんで……ここに?」
戸惑ったマオ様の声を聴きながらも、私の視線が捉えているのは別の人物。
マオ様がご記憶を失くされる前、ヴァロン様で在った時の妻ーーアカリさん。
悪い予感が的中してしまった。
彼女の存在は、今の私にとっては1番に邪魔だと言っても過言ではない。
二週間程前、ご一緒に買い物に出掛けた際のマオ様を見て”まさか”とは思っていた。
表情も明るくなり、少しずつだが人と目を合わせて会話をしたり、何より食事に興味を示すようになった。
そう、まるで”自分の帰る場所”を探しているかのように……。
黒猫を預かってくれている人の作ったオムライスの味を求めて、毎日のようにオムライスばかり召し上がるマオ様。
屋敷の料理人、近所のお店……。何処に居ても、いつだって”大好きな味”を求めていた。
その様子に、”まさか”は次第に確信に変わった。
だから私は今日、マオ様の跡をこっそり付けていたのだ。
「ディアス。なんで……ここに?」
戸惑ったマオ様の声を聴きながらも、私の視線が捉えているのは別の人物。
マオ様がご記憶を失くされる前、ヴァロン様で在った時の妻ーーアカリさん。
悪い予感が的中してしまった。
彼女の存在は、今の私にとっては1番に邪魔だと言っても過言ではない。
二週間程前、ご一緒に買い物に出掛けた際のマオ様を見て”まさか”とは思っていた。
表情も明るくなり、少しずつだが人と目を合わせて会話をしたり、何より食事に興味を示すようになった。
そう、まるで”自分の帰る場所”を探しているかのように……。
黒猫を預かってくれている人の作ったオムライスの味を求めて、毎日のようにオムライスばかり召し上がるマオ様。
屋敷の料理人、近所のお店……。何処に居ても、いつだって”大好きな味”を求めていた。
その様子に、”まさか”は次第に確信に変わった。
だから私は今日、マオ様の跡をこっそり付けていたのだ。