夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
三年前シャルマ様にマオ様直属の執事としてお側にいる事を許して頂く為、私が交わした誓約。
”マオ様をヴァロン様だった時の関係者と近付けさせてはならない”
それが監視に近い、マオ様を鎖で縛り付けるような事だと言うことは分かっていた。
けれど……。
『ディアス。
僕に何かあったら、ヴァロンの事をよろしくね』
ーーリオン様が、私に託した願い。
例え会えなくても、傍に居られなくても、リオン様が陰ながら見守り続けた宝物《ヴァロン様》。
ヴァロン様としての記憶を失くした今のマオ様は、まるで赤子も同然。
シャルマ様の意向から逸れれば、簡単にお命を奪われてしまう。
リオン様と、同じように……。
ーーっ、そんな事はさせない!
どんな手を使っても、護ってみせるッ!!
「我が主に近付くな!!」
口からは発せられない言葉を込めた威嚇を示すと、アカリ様の身体がビクッと跳ねた。