夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
***
あれはもう、40年程前。
そう、30歳になりたての頃ーー。
「ッーー……。
あー……完全に、しくった……」
ある田舎町の小さな診療所のベッドの上で目を覚ましたワシは、すぐに何故自分がその場にいるのか察して己の失敗を嘆いた。
思わず自らの顔を覆った両手を退けて、天井を見上げていた目線を少しずつ下げていくと、固定されて包帯をグルグルと撒かれた右脚が映る。
それは、仕事中の事故じゃった。
何でも屋としての任務を完了し、「さて引き上げるか」とアジトに戻ろうとした矢先。任務場所だった背後の土砂崩れに巻き込まれ、ワシはそのまま気を失っていたのだ。
ーーマズい。
自分が何日眠っていたのか、全く分からない。任務が完了した、という報告を親分《ボス》にしていなければ、他のメンバー《みんな》が自分の今の状況を知っているのかさえ分からない。
あれはもう、40年程前。
そう、30歳になりたての頃ーー。
「ッーー……。
あー……完全に、しくった……」
ある田舎町の小さな診療所のベッドの上で目を覚ましたワシは、すぐに何故自分がその場にいるのか察して己の失敗を嘆いた。
思わず自らの顔を覆った両手を退けて、天井を見上げていた目線を少しずつ下げていくと、固定されて包帯をグルグルと撒かれた右脚が映る。
それは、仕事中の事故じゃった。
何でも屋としての任務を完了し、「さて引き上げるか」とアジトに戻ろうとした矢先。任務場所だった背後の土砂崩れに巻き込まれ、ワシはそのまま気を失っていたのだ。
ーーマズい。
自分が何日眠っていたのか、全く分からない。任務が完了した、という報告を親分《ボス》にしていなければ、他のメンバー《みんな》が自分の今の状況を知っているのかさえ分からない。