夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

この頃のワシはある何でも屋に属していて、親分《ボス》を中心に約30名ほどの仲間がいた。
任務はそのメンバーでそれぞれが役割を果たしていて、きっとみんな自分の任務が完了したという報告を待っているに違いなかった。


物心ついた時には両親と呼べる者がいなかったワシにとって、何でも屋のみんなは初めて家族のような”仲間”と呼べる存在。

『オマエ、なかなか良い腕と逃げ足を持ってるな!オレの元に来い!しっかり鍛えてやる!』

12歳の時。盗みを働いたワシを捕まえた親分《ボス》が、そう言って笑った。
褒めてもらえた。親に捨てられ、ゴミクズのように生きていたワシがやっと得た居場所じゃった。

帰りたいーー。
みんなに迷惑をかけないよう、早く集合場所に戻らなくてはーー。

そう思って上半身をベッドから起こそうとした時……。

「あーーーっ!!」

「っ?!」

狭い病室に響く女の……いや、子供の声?
何事かと声の方に顔を向けると、その声の主はダッとワシの方に駆け寄って来て、ずいっと顔を寄せて来た。
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