夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
ッーー……な、何だ?!
詰め寄られて思わずドキッとする。
ーー女だ。ふわっと肩まで伸びた茶色い髪に、大きな茶色い瞳の女が、キッとした表情で顔を近づけてくるではないか。
「っ……な、なんだよッ」
見知らぬ女。パッと見たところ17、18歳位だろうか?
怒りを含んだような視線を向けられる意味が分からないワシは、柄にもなく圧倒された。
ヤル気なのか?
垂れ目の見かけによらず、相当腕に自信のある女なのか?
しかし。
そう思って身構えた次の瞬間ーー。
「起きたー!!起きたんだね〜!?」
「?ッ……はぁ?」
女はパッと表情を変えて微笑むと、「やった〜!」と声を弾ませてその場でぴょんぴょん飛び跳ねた。そして、くるりんっと一回転して、「あっ!そうだ!」と言うと、今度はパタパタと部屋を駆け出していく……。
「先生〜!先生〜!起きたよ〜〜!!」
廊下に響く足音と、ワシの目から見た年齢とは全く合わない子供のような声ーー。
これが、シュウの母親ユメとの出会いじゃった。