月曜日、約束の場所で
いやよく見ると、その人の手に私が探している本が。
「……その本」
「ああ、読みますか?」
彼は私にその本を渡してくれた。
関係ないけど、日本語が上手いな。
「ありがとうございます」
「いえ、ちょうど返すところでしたから」
彼は無愛想に言った。
だけど、図書館マジックかな。
それが余計いい。
「では」
彼はそれだけ言って、別の本を探しに行った。
……名前くらい、聞けばよかった。
とりあえずレポートをやろう。
きっと彼なら、また図書館にいるだろうから。