妖精の涙【完】
妖精
3000年ほど昔。
この世界…人間界と妖精界は繋がっており、妖精は人間界と妖精界を行き来していた。
妖精は人間によく似ており、異なるところといえば、その背中に綺麗な4枚の羽を持ち、エネルギー源が月の光だったということと、長寿だったということ。
妖精は純粋に人間との戯れを楽しみ、人間は妖精の不思議な生態に興味があった。
同じ感性、感情があるのに人間とは違う美しい生き物。
しかし、今までの付かず離れずな関係は徐々に崩壊していった。
その美しさからペットとして軟禁されたり、七色に光る透き通った羽のために乱獲されたり、と散々な扱いを受けた妖精たちは怒り悲しみ、人間界と繋がる門を封鎖した。
しかしその直前、フェールズは妖精と契約を交わしていた。
フェールズは妖精との良好な関係を築くことを約束したのだ。
元々、シルバーダイヤという月光をその身に宿す鉱物が大量に採掘されていたため、そのシルバーダイヤを差し出す代わりに平和の象徴、人間と妖精との友好の証になってほしい、という内容だった。
その契約に対しとある女性の妖精は了承し、契約を結んだ。
人間と妖精との良好な関係の架け橋になる、と。
その直後に…人間界と妖精界の決別。
交わされた契約の影響でその妖精は自分の世界に帰ることができず、またその子供も取り残されてしまいフェールズに取り残されてしまった。