俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡
今思えば、わたしがどうしてりんごジュースとバームクーヘンを好きなのか知っているのも、謎に包まれたままだ...。
「洸の部屋に行ったあの日......言った言葉はなに......?」
“お前をからかったことなんて、一度もない”
“ずっと本気なんだよ”
ただの気まぐれにしては、冗談が過ぎるよ...。
洸は軽い気持ちで、あんな言葉を言える人なの...?
それともほんとに、わたしのこと......。
だけど、わからない。
わたしと洸は、なにも接点がなかったのに。
洸はわたしのことを、いつから見ててくれたの...?
ねえ、教えてーー.........
「......悪い......忘れてくれ」
耳に届いたのは、まるでなにかが弾けて消えるような言葉。
そして、ぱたりと温もりさえ消えてしまった。