俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡
振り返りたくはなかった。
だって...わたしの瞳からは、涙が溢れ落ちそうだから......。
「勝手だよ、洸......っ
忘れられなくなるようなこと、散々しておいて...っ忘れろだなんて......ッ」
それなら最初から、洸の本性なんて知りたくなかった。
こんなに苦しくなるなら...
王子様の洸にただただ憧れていたかった。
「...ッ洸なんか、カナダでもどこにでも行っちゃえ...っ!!」
わたしはカバンを手に持って、教室から飛び出した。
廊下を走り出した。
洸は追いかけてくれなかった。
洸を好きになんて...
なりたくなかった。