俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡
「真瀬、1ヶ月お疲れだったな!!
実力テストであの結果だったから心配してたけど、今回よく頑張ったな!!」
職員室からテスト用紙を12枚手に持って出てきた先生。
結果は、なんと全教科70点以上で、よいものは80点だった!!
はじめての数字に目を丸くするとともに、安心とうれしさで思わず泣きそうになってしまった。
「先生、毎日プリント用意してくださって、ほんとにありがとうございました!!」
わたしは最後にお礼を告げ頭を下げた。
「真瀬が留年しなくてよかったよ!お疲れさん!今日は一日、好きに過ごせよー!」
満足げにそう言って、職員室に戻ろうとする先生を呼び止める。
「も、望月くんは...っ」
もう9時になったのに、彼の姿はない。
もしかしたら、わたしより先に取りに来ていたり...!?
「望月なら、当然合格だ!しかもな...全教科100点なんだよ!おそろしいくらいすごいと思ったよ...!!」
先生は興奮したようにそう言った。
人の点数を公開するのはふつうよくないけれど、つい言いたくなるほどのことだろう。
洸、ほんとに宣言通り全教科満点なんて...!!すごすぎるよ...!!
だけどわたしがほんとうに知りたいのは、洸がすでに来たかどうかだ。
「望月がまだ来てないのは珍しいなー、まあもうじき来るだろう」
一人言のようにつぶやいて、先生は今度こそ職員室のなかへと入っていった。