俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡
「...洸...昨日...は、あんなこと言って...」
ごめん。そう言いたかった。
“カナダにでもどこにでも行っちゃえ”
あの言葉を謝りたかったのに。
洸はそれを言わせてくれなかった。
わたしの存在を確かめるみたいに抱き締めなおして、
ぎゅうっと自分の胸にまた閉じ込めた。
心臓がわしづかみされたのかと思った。
「......わるいのは俺だ。どうせ俺のほうが忘れられないのに...あんなこと言ってごめんな」
頭上で紡がれる言葉。
頭のなかでもう一度並べて、自分でもわかるように噛み砕く。
だって、そうしないと...わたし、自分の都合のいいようにとらえちゃうよ...。
それから洸はわたしを抱き締める力を緩めて、ひとつひとつ話をしてくれた。
自分がこれまでダメ人間だったこと。
双子の姉の紲さんのこと。
わたしが事故に遭ったとき、すぐそばにいたこと。