俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡
わたしは洸の胸のなかでゆっくりと話を聞いた。
たまらなくうれしかった。
洸が、自分のはなしをこんなにしてくれるなんて...。
わたしに心を開いてくれている証拠だと思った。
洸はいつも見えない透明の膜が張られているような気がしてた。
初日にわたしに本性を見せてくれたけど、それでも。
なにか線を引かれている気がしてた。
だから今、それがなくなって、それだけで...それだけで嬉しいのに...
「...今日の朝、お墓で眠る紲に、晴香のはなし、してきた」
「...わたし、の......?」
「本気で想える相手ができた...って」
心が震えた......。
思わず洸のシャツをぎゅ...っとにぎりしめた。
洸はゆっくりと体を少し離して、軽く抱き締めたまま、わたしと目線を合わせた。
洸の端正な顔が目の前にあって、思わずうつむいてしまいそうになるけれど、
絶対、目をそらしたくないと思った。
綺麗な茶色い瞳に、ほんとうに吸い込まれてしまうんじゃないかと思った。
トクントクンと心地よく鼓動は音を立てているけれど、
洸の綺麗な唇がゆっくりと開かれたときには、それは大きく波打った。
心臓の音、どうか鳴りやんで。
洸の声が、聞こえなくなるーー
「晴香が好きだ......」