俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡
「ハル~次はなに読んでるの?」
小説を読んでいると、前にヒョコッと現れたのは中学のときから仲のよい友達の仲田紗由理(なかたさゆり)。
入学して、10クラスもあるうちの同じクラスになれたことを、未だに奇跡と思える。
その顔は若干あきれぎみである。
「紗由理もこれ絶対読んだほうがいいよ!胸キュン間違いなしだから!!」
わたし、真瀬晴香(ませはるか)は、ちょうど読み終えた小説を紗由理に押し付けた。
「読まないよ!どうせ王子物でしょ?」
「そうだよ!?当たり前じゃん!!」
「そんなの毎回読んでるから、ますます現実が見られなくなるんでしょーが!」
小説を読む気なんてないのに、ペラペラーとめくるだけめくってトンと机の上に置かれた。