俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡
「まあ...たしかに私も今まで見てきた中でその人が一番王子っぽいわね」
たった今わたしたちの会話に出てきた人物。
それは、隣のクラスの“彼”のこと。
ーーガヤガヤ
なんだか廊下に人がいっぱい流れてきたと思ったら、どうやら隣のクラスが移動教室のようだ。
わたしはすかさず廊下を盗み見た。
その2秒頃ーー現れた“彼”。
その周りだけが、空気がちがうように見える。
きっと彼が放つオーラだ。
「...今日もかっこいい」
思わず言葉が漏れてしまう。
うっとりしてしまっている自分にも自覚してる。
「...まあ、それは認める」
紗由理は口ではそう言うけど、けっしてわたしみたいに目をハートにさせるわけではない。
きっとタイプではないのであろう。