俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡


「...まるで小説のなかから飛び出してきたみたい」


そんな例えを口にすると、紗由理に“末期だわ、この子”みたいな目で見られる。


「ハルが知ってる小説のなかだとどの人なの?」


「えっとね~“隣の王子様★”の“ユウキくん”かなあ~!」


「...」


ちょっと。

質問してきたんだから、その無言はないでしょ。

その引きぎみな顔はないでしょ。


「あ、こんど貸してあげよっか!?」


「遠慮しとく」


即答かーい!!

紗由理だって、読んだらはまるのに!!


そのときチャイムが鳴り響いて、紗由理は自分の席に戻っていった。

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