俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡
雷
あのあと、わたしは洸の電話中に“用事がある”と言って帰った。
信じてくれたのか、特に疑われなかった。
次の日の月曜日も、なにも言われなかった。
そう...“なにも”。
だからわたしも、“なにも”言わなかった。
日曜日の“あの出来事”なんてなかったかのように...補習は再開した。
“お前をからかったことなんて、一度もない”
“ずっと本気なんだよ”
あんな言葉...きっと、王子様の気まぐれ。
わたしは...残りの補習をやり遂げたらいいだけ。
28、29、30日には、最終テストがある。
みんなが受けたところの期末テストだ。
そして31日は、9時に職員室にテストを受け取りにいく。
つまり結果を聞きに行くということ。
全12科目のテストが60点以上なら、単位は獲得だ。
本来ならば50点以上なのだが、わたしたちふたりは60点以上でなくてはならない。
もし59点以下をとってしまったら...そのときは、留年確定だ。
だから、なんとしても60点以上をとらなければならない。
そう、今は補習のことだけを考えたらいいんだ。
余計なことなんて、“なにも”ーー。
胸のモヤモヤなんて、きっと...いや絶対、気のせいなんだからーー。