俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡
だって、今すぐ体育館に向かわないといけないはず。
たしかバスケ部の顧問は体育主任のあの怖い先生だったよね。
早川くんって、ほんとに人懐っこい人だなあ。
クラスでもみんなから好かれてるもん。
2学期が始まったら、お見舞いに来てくれたお礼、なにかしたいな。
「ありがとう!早川くんも部活がんばっ......」
わたしも雨の音に負けないように、両手をメガホン代わりにして彼に声援を送ったーー
最後の言葉が途切れてしまったのは、
言葉を続けられないほど驚き、心臓が天まで届きそうなほどに跳び跳ねたからだ。
背後からやって来た人物によって、わたしは言葉を失った。
洸はわたしを後ろから包み込むように抱き締めたのだ。
「こ......う!?」
じんわりと彼の体温が全身を駆け巡る。
夏といえど今日は涼しいくらいの気温だったので、余計に温かさを感じた。
こんなことをされるのは洸の家へ行ったぶりで...
またもやわたしの心臓をかき乱してくる、この王子。