俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡
だって、右も左も洸の腕にはばまれていて、目の前には逃げられる気なんて起きやしない不敵に笑う洸がいるから...。
一瞬にして頭のなかが洸でいっぱいになってしまうけど、
わたしはさっきまで声援を送ってくれた彼のことをハッと思い出した。
こんなところ見られたら...!!
そう思って窓の外を確認したけど、
彼の姿はそこにはもうなかった。
よ、よかった...いや、よくない。
今のこの状況を見られていなくても、
さっき、洸が抱き締めてきたところは間違いなく見られたのだから。
驚いたよね...。
今ごろ部員仲間に話していたり...
いや、早川くんならそんなことしないかーー
「アイツに見られたら、困るわけ?」
わたしは洸みたいに同時にいろんなことが考えられない。
だから、洸の言葉によって、このキケンな状況に脳内が引き戻された。