俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡
「...こ、洸と早川くんって、友達なの...?」
困るとか困らないとかの質問は無視して、わたしはそれよりも気になることを尋ねた。
だって...
“アイツと仲いいのか?”
“アイツに見られたら困るわけ?”
一回目の“アイツも”二回目の“アイツ”も、
まるで早川くんのことをよく知っているような言い草だったから...。
ーーわたしはほんとに、心に生まれた小さな疑問だった。
だから洸が“友達じゃない”って言えば“そうなのか”ってなる。そんな程度。
だからひどく驚いた。
「...そう思ってた。俺はな...?」
洸の瞳が、今まで見たことないくらい、
悲しげに揺れていたから...。
「...」
「こ...う?」
洸はハッとしたように「なんでもねえ」とつぶやくと、
壁についておいた手のひらをひじに代えたもんだから、さらにわたしとの距離は縮まった。